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登山レポート&ニュース

2020年11月09日

上ノ国 瓜谷山

 事なかれ主義

今回のメインイベントは マニアックな瓜谷山(うりややま)一等三角点です。
北海道の一等三角点は 大千軒岳と八幡岳と古部丸山 が最も早く 明治29年に選点されました。
瓜谷山は翌年の明治30年設置で 全国三角点ガイドでは高難度となっていました。
上ノ国の民宿に前泊 旧江差線のあった天の川を遡り 支流の神明の沢林道崩落地点に駐車しました。


古い林道を4km歩いて入渓すると 小滝が数か所ありました。
11月の小春日和 朝の気温は12℃くらいあって沢の水もさほど冷たくありません。


落ち葉で埋められた渓谷はうっとりするほど美しく見応えありました。


直登や高巻もありましたが「高難度」というほど難しくはありません。
ロープを使う場面もありませんでした。


最後の詰めは根曲がり竹のブッシュでしたが 腰をかがめて探し廻ったら三角点が見つかりました。
歩き始めて2時間50分・・・ピリガイ山と比べたら お気楽モードです。


午後は上ノ国三角山のリサーチでしたが 風力発電の工事で林道は封鎖されていました。
現場事務所に立ち寄って所長というオッサンに通行状況を尋ねたら「うちは下請けだから 元受けに許可をもらってくれ」。
元受けのゼネコン「KJ」担当者に来てもらったら「発注者のJパワー(旧電源開発)に許可をもらってくれ」と言われる始末。
多分 発注者に尋ねたら「うちは借地しているだけだから 所有者の森林管理署に聞いてくれ」と言われるのでしょう。
嗚呼・・・いつものパターン事なかれ主義に陥ってしまった~・・・。
工事は今後5年は続くそう・・・こうなったら 林道を使わずに 沢登りか残雪期に登る手段を考えよう。


上ノ国の夷王山に寄り道しました。
武田家の館があった山頂には 神社が祀られていました。


戦国時代の末期 耕作地の無いアイヌの蝦夷地でどうやって和人が暮らしていたのだろうか・・・


山の斜面には600基の墳墓が見つかっているそうです。
江差や松前が栄える遥か昔 今から500年も前に上ノ国に武士が住み着いてアイヌと交易していた・・・
歴史は面白い。